その他の地区のオーナー制も簡単に紹介しておくと・・・
「天神梅と竹林の里」 梅の木1本のオーナーで年1万円。1本の木から30kgの梅が収穫できる。花見会、タケノコ掘り、収穫祭、イモ煮会と年4回。(烏生田地区)
「棚田の郷かぶと」 棚田のオーナーで、年3万円。田植え、草刈り、イネ刈り、ユズ狩り、ホタル観察など年8回。(山内甲地区)
「そばの里まぎの」 ソバ畑50平方bのオーナーで、年1万円。ソバの種まきから刈り取り、ソバ打ちの体験と年4回。ここには農村レストランの「そばの里まぎの」があり、ソバ打ちの体験もでき、年26,000以上の客が訪れるという。(牧野地区)

(写真)「そばの里まぎの」。農村テストランと言えるものは道の駅内、その他にもあり。
「しいたけの里」 ほだ木50本の5年間にわたるオーナーに。加入時3万円でその後は年3千円。随時に「したけ教室」に参加できる。(青梅地区)
「深沢パパスの丘」 日帰り貸し農園で、ジャガイモ、トウモロコシのオーナー。1万円。地元農家と一緒にパパス物語を描く・・・というロマチックな年3回のイベント。(深沢地区)
「虹色の里あじ彩」 3種類のキノコのほだ木20本のオーナーで、随時に参加。加入時1万2千円、翌年2千円、3〜5年は無料。
なお入郷石畑の棚田、天神梅と竹林の里、かぐや姫の郷、そばの里まぎの・・・などは全国規模の優良事例として表彰されている。また本年8月24、25日には全国棚田サミットが茂木町で開催され、地元と遠来の客も合わせ1,200人が参加した。
さて、オーナー制度の果たす役割はなにか。農村と都会の交流は「バスで消費者を招待していては、金と手間ばかりかかる」ということで、どこでも進んでこなかった。金がかかるのでは長続きしない。逆にサービスに見合った実費を負担してもらえば永続的な交流ができる。実費をもらう程度だから儲かるものではない。入郷の棚田オーナー制度で3万円もらっても、60人分で180万円。これを協議会メンバー9人で割れば20万円にすぎない。収穫した米全量を差し上げれば、労力分がはき出しになるはず。
オーナー制度は、長期的な展望で考えるべきだと思う。つまりグリーン・ツーリズムの一つとして、@農村・農業の楽しさ、厳しさを理解してもらえる、A地元特産品の美味しさ、料理法など知ってもらえ、子供さんなどに対する食育にも貢献できる、B交流を通じ、情報も入れば楽しいさも付加される、C地元の専・兼業の別なく一体感が生まれ、過疎化にも歯止めがかかる・・・など、農業者としての喜び、満足が得られる。
しかし心の満足だけでなく、D特産品の固定客が出来、常時の通信販売も可能になる、Eオーナーがクチコミで、@Aの理解や特産品の宣伝をしてくれ、通販の輪が広がる、F地元を訪れる人が増え、道の駅の各種売店や農村レストラン、宿泊施設も潤い、町全体が活性化される・・・といった経済効果もある。それには、個性あふれた商品開発といった生産面の努力が必要である。ユズ味噌、ユズこしょう、ユズジュース、棚田米、棚田の雫(酒)などがその良い例である。地域活性化には以上のように特産品作りに沿った生産の振興と、消費者との交流が一体化することが望まれるのではないか。
あとで、電話で役場の農林課で集落営農についての意見もうかがったが、「新農政としての集落営農作りと切り離し、地元活性化の自発的な意識に沿った集落営農を先行させている。なにせ耕地面積が狭く、特例の適用を受け10haの面積を集めるとしても、時に2集落にまたがることになる。うっかりすると集落の和を壊すことにもなりかねない。助け合いの精神があって初めて、共同作業や機械の共同利用も進む。リーダーの育成、東北地方の集落営農の成功例の視察などを経て、ゆっくり着実に集落営農を育てようと思っている」とのこと。 |